外科・肛門外科・消化器内科・内科
医療法人社団英樹会 津山クリニック
石川県白山市北安田町1270
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「いぼ痔(痔核)」は、放置して進行すると、支持組織が引き伸ばされて肛門の外側に飛び出すようになります。この状態を**「脱肛(だっこう)」**と呼びます。
内痔核と外痔核の違い
痔ができる場所によって、大きく2つのタイプに分けられます。
内痔核(ないじかく) 直腸側の粘膜(歯状線より内側)にできる痔です。初期は痛みが少なく、排便時の「出血」で気づくことが多いのが特徴です。
外痔核(がいじかく) 肛門側の皮膚(歯状線より外側)にできる痔です。神経が通っている場所にできるため、痛みを感じやすく、腫れや異物感を伴うことがあります。
進行すると「内外痔核」へ 内痔核が大きくなって脱出を繰り返すようになると、肛門側の外痔核も引き込まれて一体化し、「内外痔核(ないがいじかく)」という状態になることもあります。
「脱肛」の状態になると、日常生活に不便を感じる場面が増えてきます。しかし、長く放置してしまったからといって、必ずしもすぐに「切る手術」が必要なわけではありません。
当院では、進行した状態であっても、まずは以下の方法を第一に検討いたします。
保存療法: お薬による治療や排便習慣の改善
ALTA療法(ジオン注): 切らずに注射で治す、身体への負担が少ない治療法

切らずに注射で治す「ALTA療法(ジオン注)」
ALTA療法は、身体への負担を抑えた画期的な治療法ですが、すべての方に適応できるわけではありません。当院では、事前の診察で以下の特徴を丁寧にご説明し、最適な治療法をご提案いたします。
低侵襲(痛みが少ない) メスで切除しないため、術後の痛みや出血が大幅に抑えられます。
早期の社会復帰が可能 入院の必要がなく、手術翌日の診察で問題がなければ、すぐにお仕事や日常生活への復帰が可能です。
再発の可能性 従来の「結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ)」と比較すると、将来的な再発率がやや高い傾向にあります。
この治療を安全かつ効果的に行うためには、肛門の状態が以下の条件を満たしている必要があります。
内外痔核(ないがいじかく)が広がっていないこと いぼ痔が肛門の外側の皮膚部分まで大きく及んでいない状態が理想的です。
歯状線(肛門の境界)が保たれていること 直腸と肛門の境目である「歯状線」の組織が、大きく壊れたり変形したりしていないことが条件となります。
内痔核が極端に硬くなっていないこと 長期間の放置により、組織が変質(基質的変化)していない場合に、より高い効果が期待できます。
「自分の症状はALTA療法で治せるのか?」と不安に思われる方も多いかと思います。
当院では、ALTA療法の施行実績2,293例(2006年〜現在まで)という豊富な経験に基づき、精緻な診断を行います。
もし診察の結果、ALTA療法の適応外であったとしても、決して手術を急ぐことはありません。「まずはお薬での治療」を継続したり、他の低侵襲な手法を組み合わせたりするなど、患者さんのご希望に沿ったベストな解決策を一緒に考えてまいります。
一人で悩まず、まずは現在の状態を正しく把握することから始めましょう。
当院では、再発を抑えつつ身体への負担を最小限にするため、切除術と注射を組み合わせた「ALTA併用療法」を積極的に行っています。
再発率が極めて少ない 従来の切除術(結紮切除術)の確実性と、ALTA療法の硬化作用を組み合わせることで、単独の治療法に比べて再発のリスクを大幅に低減します。
従来の根治術より低侵襲(痛みが少ない) すべての痔核を切除するのではなく、主要な部分のみを切除し、残りの内痔核部分をALTA注射で治療するため、傷口が小さく、術後の痛みや出血も抑えられます。
翌日から「普段通り」に近い生活が可能 手術翌日から、通常の排便や入浴が可能です。また、厳しい食事制限もほとんどなく、早期に日常生活へ戻ることができます。
「切らずに治したい(ALTA単独)」というご希望と、「二度と再発させたくない(併用療法)」というご希望、どちらも大切です。
当院では、内痔核の施行実績2,293例(2006年〜)という豊富な知見に基づき、患者さんの痔の状態(脱肛の程度や組織の硬さ)を精密に診断します。
まずは「お薬」で様子を見る
適応があれば「切らないALTA療法」
再発防止を重視するなら「ALTA併用療法」
患者さんのライフスタイルやご不安に寄り添い、最適な治療計画を一緒に決定してまいります。どうぞ安心してお任せください。
裂肛は、一般的に「切れ痔」と呼ばれている病気です。肛門の出口付近の皮膚(上皮)が切れたり、裂けたりした状態を指します。
主に以下の2つの原因によって引き起こされます。
硬い便の排出:便秘などで硬くなった便が通る際、物理的に肛門の皮膚を傷つけてしまう。
肛門の血流不足(虚血):もともと血液量の少ない肛門の後方は、血流が悪くなると組織がもろくなり、切れやすくなります。
当院では、患者さんの痛みを取り除き、自然に治癒する力を引き出す治療を優先します。
急性期のケア 肛門の痛みや炎症を抑えるため、消炎鎮痛剤や注入軟膏を使用します。
便通のコントロール 便を柔らかくして肛門への負担を減らすため、必要に応じて緩下剤(便を柔らかくする薬)を併用します。
多くの場合、適切な軟膏と緩下剤の使用、そして生活習慣の改善によって症状は快方に向かいます。
切れ痔を何度も繰り返すと、傷が深くなり慢性化してしまいます。
肛門狭窄(こうもんきょうさく):炎症を繰り返すことで出口が硬く狭くなり、さらに便が通りにくくなって悪循環に陥ります。
このように、お薬だけでは改善が難しくなった場合や、日常生活に支障をきたすほど肛門が狭くなった場合には、手術による治療を検討いたします。
「たかが切れ痔」と放置してしまうと、少しずつ肛門が狭くなり、手術が必要な状態まで進行してしまいます。
「早めに薬で治す」ことが、手術を回避する一番の近道です。 排便時の痛みや出血が気になったら、まずは一度お気軽にご相談ください。
切れ痔(裂肛)の多くはお薬で改善しますが、以下のような「慢性裂肛」の状態になると、手術による根本的な治療が必要になる場合があります。
保存的療法(お薬)で効果が見られない 軟膏や緩下剤を適切に使用し、排便習慣を改善しても、痛みが取れなかったり出血を繰り返したりする場合です。
器質的肛門狭窄(こうもんきょうさく)をきたしている 切れ痔を何度も繰り返すことで、肛門の出口が繊維化して硬く、狭くなってしまった状態です。便が通りにくくなり、さらに切れやすくなる悪循環に陥っています。
慢性的な切れ痔が続くと、肛門周辺に以下のような組織の変化(しこり)が現れることがあります。
見張り疣(みはりいぼ) 切れ痔の外側の皮膚が、炎症を繰り返すことでぷくっと腫れ上がったものです。「いぼ痔」と間違われることも多いですが、切れ痔が慢性化した際の特徴的なサインです。
肛門ポリープ 肛門の内側の粘膜が、繰り返す傷や炎症によって盛り上がり、ポリープ状になったものです。
「見張り疣」や「肛門ポリープ」ができ、肛門が狭くなってしまうと、残念ながらお薬だけでは元の柔軟な状態に戻すことは難しくなります。
しかし、手術を行うことで、「排便時の恐怖心」や「繰り返す痛み」から解放され、毎日を快適に過ごせるようになります。
痔瘻は、肛門の周囲に膿(うみ)が溜まる「肛門周囲膿瘍」が進行し、肛門の内側と外側を結ぶ「管(トンネル)」ができてしまった状態です。痔核(いぼ痔)に次いで頻度の高い肛門疾患ですが、自然に治ることはほとんどなく、根本的な解決には手術が必要です。
痔瘻を再発させずに治すためには、単に出口を塞ぐだけでは不十分です。
原発口(げんぱつこう)の処理 細菌が入り込む原因となっている「トンネルの入り口」を確実に処理します。ここが開いたままだと、何度でも感染を繰り返してしまいます。
原発巣(げんぱつそう)の処理 肛門の筋肉の間にある、膿が溜まる「大元(おおもと)」をきれいに掃除します。
「入り口(原発口)」と「大元(原発巣)」を確実に処理できれば、枝分かれした「トンネル(瘻管)」は自然に枯れて消失することが期待できます。
痔瘻のトンネルがどのように走っているか、複雑な枝分かれがないかを正確に把握するため、当院では超音波検査などを用いて、目に見えない部分まで丁寧に診断を行います。
肛門の筋肉(括約筋)へのダメージを最小限に抑え、術後の排便機能に影響が出ないよう、お一人おひとりの痔瘻のタイプに合わせた最適な術式を選択します。
「時々膿が出るけれど、痛くないから大丈夫」と痔瘻を長く放置してしまうと、トンネルが複雑に枝分かれしたり、稀に「痔瘻がん」の原因になったりすることもあります。
「複雑になる前に、正しく入り口を塞ぐ」ことが、最も負担の少ない治療への近道です。お尻の違和感や、下着の汚れ、繰り返す腫れが気になる方は、ぜひ一度精密な検査をお受けください。
肛門の周りに膿(うみ)が溜まる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」は、非常に激しい痛みや腫れ、時には発熱を伴う病気です。
激しい痛みや腫れがある場合、当院では以下の原則に基づき、迅速に処置を行います。
即座の対応:持病(基礎疾患)の有無や、血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を服用されている方であっても、まずは「痛みと腫れの原因」である膿を外に出すことを最優先します。
確実な処置:超音波検査(エコー)を用いて膿が溜まっている場所(内腔)を正確に特定し、小さな切開を加えて膿を排出(ドレナージ)します。これにより、多くの場合、処置直後から痛みは劇的に改善します。
膿を出して痛みが治まった後も、注意深い経過観察が必要です。
約半数が「痔瘻」へ移行します:膿を出した後に、膿が通った道がそのまま「トンネル」として残ってしまう状態を「痔瘻」と呼びます。肛門周囲膿瘍を経験された方の約半数は、この痔瘻に移行すると言われています。
根治を見据えた治療:当院では、「とりあえず膿を出して終わり」ではなく、将来的に根治手術が必要な痔瘻になる可能性を常に念頭に置き、その後の再発防止や適切な手術時期を見極めながら治療にあたります。
「お尻が腫れて座るのも辛い」「熱が出てきた」という状態は、お薬(抗生剤)だけではなかなか改善しません。
「切開して膿を出すこと」が、痛みをとり、悪化を防ぐ最も確実な方法です。 当院ではエコーを駆使し、最小限の負担で迅速な処置を心がけております。激しい痛みがある場合は、迷わずすぐにご来院ください。
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